相棒の世界
俺、死ぬのか…
『アルバート…』
ふと、母さんの声が聞こえてきた。
「母…さん…
もう俺、ダメだ…」
俺がそう呟いた時だった。
『ーーー愛しているわ…』
「っ!!」
今まで俺の名前しか呼ばなかった母さんが、いきなりそう言ったのだった。
「っ…ヒック…うぅ…」
涙が急に溢れ出てきた。
15歳の俺はまだまだ子供で、本当は愛ばかりを求めていたクソガキのままだった。
「死刑実行ーーー」
その言葉は涙が出た後すぐに聞こえてきた。
母さん…
俺も愛していたよ…
俺は瞼を開けーーー
暗闇の中に世界を見ようとした。