相棒の世界
ーーーと、その時だった。
「ちょっと待ったあああ!!!」
「っ!?」
ふと、目の前の観衆の中から、誰よりも大きな声が聞こえてきたのだった。
まだ若い青年の声ーーー。
途端に辺りは静まり返った。
ーーートンッ
青年は死刑台に登ってくると、俺の目の前に立った。
そしてーーー
ポンッ…
優しく肩に手を置き、俺の耳元で呟いた。
「もう大丈夫だ」
「っ!!」
「ふっ」と青年は笑うとすぐさま振り返り、大声で叫んだ。
「死刑は取り消しにする!!!」
その言葉を聞いた人々は、一斉に声を上げ始めた。
「なんだと!?!?」
「どういうことよ!!!」
脇で指揮をとっていた男はすぐさまこちらに寄ってきた。
「邪魔をするな小僧!!」
「ははっ、ごめんね指揮官ちゃん」
ーーーバン!!
目の前の青年は銃を取り出すと、それを天に向かって一発放った。
辺りはまた静かになり、指揮官も足を止めた。