相棒の世界






鷹目のその言葉でーーー





俺の心にがんじがらめに巻きつけられた鎖はーーー





一瞬にしてほどかれてしまった。







「うぅ…ううう……!!」







それと同時にーーー





心の底にたまっていた大量の涙がーーー





一気に溢れ出てきた。









ーーー初めて世界に認めらた気がした。






初めて世界にーーー





光を見たような気がした。








ーーーギュッ…




「っ!!」




ふと鷹目が俺を優しく抱きしめた。




「今まで辛かっただろう?
たーくさん泣くんだ。

ーーー俺と一緒に来い。
俺の相棒になってくれ。

俺とまたーーーはじめよう…」






ーーーお前の人生を…




はじめよう。









「ううう…グスッ…うあああ!!」





耳元から聞こえてきた言葉で、俺は声を上げて泣いた。





観衆たちにも指揮官にも伝わるくらい、大きな声で泣いた。











ーーーあの時のことは…




一生忘れることはないだろう。






俺のーーー




新しい人生の始まりだったからだ。






< 239 / 506 >

この作品をシェア

pagetop