相棒の世界
ーーーしばらくして元いた部屋に戻ってくると、ハカゼが皮肉交じりの声で言ってきた。
「鷹目の娘さんはどうしたんだい」
「…っ…起きなかったから、仕方なく連れてこないことにした」
俺が下を向きながらそう言うと、ガイドンが後ろでクスッと笑うのが聞こえた。
「ふっ、まあいいさ。
娘の分もあんたがちゃあんと受け取りなさいよ、鷹目の言葉をねぇ」
そこに座れと言われ、俺とガイドンは再びソファに腰掛けた。
鏡を持ったハカゼは何か呪文のようなものをボソボソと唱えている。
「……うん、なんとか繋がりそうだねぇ。
鷹目もすぐそこまで来ているよ」
「っ!」
一筋の汗が伝った。
とうとうーーー鷹目と会えるのだ。
「準備はいいかい?」
ハカゼの言葉に俺はゆっくりと頷いた。
ーーー俺が今鷹目に聞くべきこと。
それはきっとーーー
鏡の中の鷹目が決めてくれるに違いない…
何を聞けばいいのか散々迷ったが、ニカのそばに行ったら冷静になれた。
鷹目は俺をずっと導いてくれていた男だったんだ。
今回もきっとーーー
導いてくれるはずだ。