相棒の世界





鷹目は笑っていた。



まだ生きていた頃のように、思い切り声をあげて笑っていた。



子供っぽい悪戯げな笑い声。



いつも通りの鷹目はーーー俺の心を落ち着かせてくれた。





『どうだい兎ちゃん…
少しは落ち着いたかいっ?』



「っ…ああ、まあな」




もしかしたら鷹目はーーー



俺をこうして安心させようとしていたのかもしない。





『ははっ…よかったよかった…

ーーーもう時間のようだな。
ハカゼの手が震えている…』



「なっ…」





もう別れの時が来てしまったのか…



俺は唇を噛み締めた。





正直に言えばもっと話したい。




6年前のようにーーー



二人で世界を歩みたい。






『兎ちゃん…
俺はずっとお前の中にいるからな…?
それだけは覚えといてくれ…』



「…鷹目」



『これは本当だ。
俺はお前の中からお前をずっと見ていたし、ニカのことだって見ていた。
鼠のことだってね…

これからも俺は、お前の中からお前たちを見守っている。
だから不安に思うことなんてないさ。
お前はただ…まっすぐに突き進むんだーーー。

ーーーニカをよろしく頼んだからな…
俺と…お前の愛娘だ』




「っ!」





愛娘……






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