相棒の世界
『大丈夫だ、兎…』
あの言葉が俺の頭の中に余韻のように残っている。
単純な言葉に思えるかもしれないがーーー
あれのおかげで、俺は少し自信がついたような気がするのだ。
悔しいことに、あいつは最後まで俺を分かっていたんだなと思った。
どうすればいいのか分からなくなり、的確な判断ができなくなっている俺にーーー
あいつは大事な自信というものを戻してくれたのだ。
ーーーポン…
俺は自分の胸に手を当てた。
鷹目はきっとーーー
ここにいる…
今になってはその事実がーーー
俺の自信だ。
「ーーー自信をくれたよ…」
「そりゃあよかった」
俺の言葉にハカゼはにっこりと笑った。
「俺も安心しました」
ふと、ガイドンが口を開いた。
「鷹目兄さんはずっと遠くにいるんじゃない、そう思えました…
鷹目兄さんはーーーアルバートさんの心の中にいるんですね、ずっと…」
ガイドンは穏やかな口調だった。
本当に心から安心しているのだろう。
「死んでも元気そうでよかったです…
鷹目兄さん…」