相棒の世界
「………」
隣のガイドンの様子を伺いながら、俺は顎を触った。
鷹目兄さんとガイドンは慕っているが、鷹目と鼠の兄弟関係は一体どういうものだったのだろうか?
口には出さないものの、少しだけそれが気になったのだ。
ーーー鷹目はどういう幼少時代を送ったのだろうか…
もしやそれがーーー
何か道標になったりするのではないか…?
「あっ…」
ふと思い出して、俺はガイドンに声をかけた。
「お前も聞いていたかもしれないが…
シーナという女の存在をお前は知っていたのか?」
「存在は知っていたんですが…
二人がそういう関係だったとは全く知りませんでした…
だから俺、ニカさんが現れたときに正直驚いたんですよ。まさかって…」
「…そうか」
鷹目はシーナの存在、そしてニカの存在を厳重に隠していたというわけか。
俺にもガイドンにも言わなかったのだからな。
「だけど近くの集落の場所なら分かりますよ。
もちろんシーナさんを探すんですよね?」
「ああ、それはもちろんだ」
鷹目は、シーナと出会えばすべてが分かると言っていた。
もしかするとーーー
鷹目の過去も、黒犬が俺たちを追ってくる理由も全部分かるのかもしれない。
「……っ」
絶対に見つけ出さないといけないな、シーナをーーー。