相棒の世界
かなり緊張しているのだろうと思った。
手に汗が滲んでいる。
ーーー『母親』。
きっと俺が久々に母に会えるとしたらーーー
ニカと同じように緊張するだろう。
母親の愛というものは、一度受けてしまえば離し難くなってしまうものだ。
それくらい、子供の心を支えるものだからな…
俺の腕を掴んだまま、ニカは隠れるようにして俺の少し後ろを歩いていた。
多少文句を言いながらも、ひたすら俺についてくる。
「ったく…」
面倒臭いガキだと思いながらもーーー
しかし、なぜか俺は穏やかな気分だった。