相棒の世界






「一つ目の質問の答え。
ーーー私は本当に鷹目の娘だ。

そして二つ目の質問の答え。
ーーー私はそのメッセージと共に孤児院へ送られた。まだ産まれたばかりの赤ん坊のときにな」



「……っ!…ゲホッゲホッ!!」



葉巻を吸いながら、思わず俺はむせた。



「ゲホッ……産まれたとき?」


「ああ、そうだが」


「………っ…」



俺はしばらく黙って考えた。




ーー産まれたばかり?


ーーメッセージと共に孤児院へ送られた?




もしこいつが本当に鷹目の娘であるとして、どうして鷹目はそんなことをしたんだーーー




「ーーーおい、ガキ」


「私はガキではない、ニカだ」


「ちっ…ニカ」


「なんだ」


「お前……年はいくつだ」


「6歳だが?」


「……っ!!」







ーーー鷹目が……死んだ年だ………





「どうかしたのか?」



「ーーーいや、なんでもない…」




俺はもう一度、葉巻を口に加えた。



吸う気にはーーーなれなかった。







< 26 / 506 >

この作品をシェア

pagetop