相棒の世界





俺たちはそこら中の店を回っては『シーナ』という名前の女性を知っているか聞いた。





しかしーーー




「シーナ?聞いたことねぇ名前だなぁ…」



「そんな名前の女なんて、ここにはいないと思うけどねぇ」




シーナの手がかりは全くと言っていいほど掴めなかった。





「ーーー名前を変えている可能性が高いです」




ガイドンが低い声で言った。




「おそらく、彼女は自分自身の正体を隠しているのでしょう。何か隠す理由があったに違いありません。
ーーーでなきゃ…
生まれたと同時にニカさんを孤児院に送ったりはしないと思います」




「…なるほどな」




俺は顎を触った。




追われる身でもあったのだろうか。



彼女は鷹目の妻である存在だ。



まさか捨てるような真似はしないだろう…






「とりあえずそれらしい女性を探すしかなさそうですね…」




「ああ…」





集落はそこまで広くない。



きっと隅から隅まで探し尽くせば見つかるはずだ。




ニカにもちゃんと会わせてやらないとな。




母親にーーー。






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