相棒の世界
***
「シルブ、ちょっと手伝ってくれぇー」
「わかったよ、ハカゼさん!」
ーーー俺の名はシルブ。
ごく普通の家庭に生まれた7人兄弟の末っ子だった俺はーーー8歳で捨てられた。
俺は何もできない役立たずな人間だった。
俺を養っていても何の得もしないと判断した両親は、俺を隣町の広場に置きざりにして二度と姿を現さなかったのだ。
「お父さん…お母さん!!
ごめんなさい!!」
俺は父と母を見失ってから泣いては叫び、そして謝り続けた。
何もできなくてごめんなさい!
役立たずでごめんなさい!!
今度こそは出来るようにするからーーー
戻ってきて!!!
しかし、父と母は現れなかった。
いつの間にか辺りは真っ暗になり、広場にいるのは俺だけになった。
「グスッ…お父さん…お母さん…」
俺はうずくまってひたすら泣いていた。
俺はーーーもう見捨てられたんだ…