相棒の世界
「ーーーどうしても、私を信用できる証拠が欲しいというのならば、メッセージが書かれた紙を見せてやってもいいが」
ガサガサ、と一枚の紙を取り出すニカ。
そしてーーー
「これが証拠だ」
俺に見せつけてきた。
「ーーーっ…ニカ」
「なんだ」
「読め」
「は?」
「いいから……」
ニカは渋い顔をすると、紙に書かれたメッセージを読み始めた。
『愛娘ニカへ
お前はきっと、これから様々な困難に出くわすだろう。許してくれ。
ーーー兎という男がいる。俺の大事な相棒だ。
何か困ったことがあったら、そいつをとにかく探しなさい。そして守ってもらいなさい。
ーーー奴は、立派な殺し屋だ。
お前を守るくらい、指一本でも余裕なやつだ。
そいつに頼りなさい。
ーーーこのメッセージを見ているということは、俺はもう既にこの世にいない。
シルクハットを探せ。やつは絶対に俺のシルクハットを持っているはずだ。
お前ならできる。大丈夫だ、ニカ。
ーーー生きなさい。
やつと共に、世界を見ろ。 鷹目 』
「………っ…」
「ーーーどうだ?読んだが」
そう言うとニカは、またガサガサと音を立てて紙をしまった。
ーーー世界を見ろ。
またしても鷹目はそんなメッセージを残しやがった。
ーーー何を言いたい。
ーーー俺に何をさせたい、鷹目……