相棒の世界
「ーーーというわけで、そこの壁にかけられているのはシルクハットだな」
「……っ!」
「これでお前が兎だという確率は上がった。
むしろ100パーセントに近いーーー」
ニカのハキハキした言葉に、俺は動揺を隠せなかった。
この娘はなぜここにシルクハットがあると分かったんだ…
あ、まさかーーー
「…お前、持っているのか?」
「…なにをだ?」
「鷹の目だ」
「……っ!」
ニカは息を飲んでいた。
やっぱりーーーそうなんだ。
だとしたら、こいつは本当に鷹目の娘かもしれないーーー
「透視を使ったんだな。
どんなに目がいい人間でも、透視だけは使うことができない。
ーーーお前は鷹の目を持っている。違うか?」
ニカはしばらく黙っていたがーーー
「……そうだ」
と、小さな声で言った。