相棒の世界





ーーー1週間後…







ーーーバン!!




「うっ…!」






鷹目兄さんは本当に死んでしまった。







「うそ…だろ……」





あれから鷹目兄さんを尾行し続けていた俺は、その現場を目撃していた。





鷹目兄さんは銃で撃たれたのだ。








ーーーアイツに。




鷹目兄さんから唯一姿を隠せることができるーーー



アイツに…!!








「鷹目…兄さん……?」





ーーーポタン…




一筋の涙が頬を伝って地面に落ちた。





泣いたのはーーー久々だった。









「鷹目!鷹目ぇぇぇ!!!」






「うぅ…兄さん……」






兎の叫び声の裏で、俺は声を抑えて泣いていた。




ずっと追いかけていたはずだったのにーーー




幼い頃からずっと追いかけてきた存在だったのにーーー




ずっと見ていた存在だったのにーーー







俺は鷹目兄さんをーーー救えなかった。






「うぅ…グスッ…ううう…!」






長年一つも流していなかった分、俺はあの頃の幼い自分のように泣きじゃくった。







< 288 / 506 >

この作品をシェア

pagetop