相棒の世界
ーーー1週間後…
ーーーバン!!
「うっ…!」
鷹目兄さんは本当に死んでしまった。
「うそ…だろ……」
あれから鷹目兄さんを尾行し続けていた俺は、その現場を目撃していた。
鷹目兄さんは銃で撃たれたのだ。
ーーーアイツに。
鷹目兄さんから唯一姿を隠せることができるーーー
アイツに…!!
「鷹目…兄さん……?」
ーーーポタン…
一筋の涙が頬を伝って地面に落ちた。
泣いたのはーーー久々だった。
「鷹目!鷹目ぇぇぇ!!!」
「うぅ…兄さん……」
兎の叫び声の裏で、俺は声を抑えて泣いていた。
ずっと追いかけていたはずだったのにーーー
幼い頃からずっと追いかけてきた存在だったのにーーー
ずっと見ていた存在だったのにーーー
俺は鷹目兄さんをーーー救えなかった。
「うぅ…グスッ…ううう…!」
長年一つも流していなかった分、俺はあの頃の幼い自分のように泣きじゃくった。