相棒の世界
ーーー俺はそれから鷹目兄さんに言われた通り、ガイドンという名前を使って兎を見張り続けた。
気づけば6年が経っていた。
「ジョンさーん!!」
「また来たのかガイドン…」
わざと靴を破き、何度も兎がジョンとして経営する靴屋へ通った。
正直、兎を何から守ればいいのかは、はっきりと分かっていなかった。
だがーーー
なんとなく予想はついていた。
「ジョンさーん!!」
「今度はどうしたんだ…」
俺は靴屋に入るたびに、壁に掛けられたボロボロのシルクハットを見つめた。
ーーー鷹目兄さん…
そして、鷹目兄さんのことを思い出したのだった。