相棒の世界
ーーーガイドンは瞼を開けると、辺りに広がる景色を見つめた。
日が沈んで空はすでに暗くなっており、肌に触れる空気は冷たくなっている。
今いる場所は、集落の中央を流れる一本川の近くだった。
兎はニカさんが落としていったシルクハットを片手に、川の淵に座り込んで意気消沈している。
「……っ」
ガイドンは胸が痛くなり、兎に話しかけようとしたが寸前でやめた。
今はそっとしておいた方がいい…
無理に前を向かせても逆に混乱させるだけだ…
ガイドンは手を引くと、兎の側をゆっくりと離れていった。
ーーー鷹目兄さん。
俺は兎をーーー
ちゃんと救えているのかな…