相棒の世界
「助ける…」
絶対にニカを助け出してみせる。
『世界を見ろ…兎……!』
俺が今やるべきことはーーー
鷹目のメッセージの意味を見つけ出し、
ニカを救うことだ。
俺は左手に持っていたシルクハットをしっかりと握ると、その場に立ち上がった。
「…ありがとう、ミラ。
ーーー分かったよ、やるべきことが」
「…よかった」
ミラは安心したかのように、息を吐くとーーー
「…あの!」
もう一度口を開いた。
「私もあなたをーーー
愛していることを忘れないで下さい…」
「っ!」
俺はその場に固まった。
今、なん…て……
「っ…は、早く行かないと!
ガイドンさんがあっちで待ってます!
探しましょう、ニカさんの母親を!」
「あっ…」
ミラは俺の手を引くと歩き出した。
いつもは冷たいミラの腕はーーー
ほんのりと熱くなっていた。