相棒の世界




「ミラ、下を見てくれ!」



「はい…!」




空中を跳んでいる中、俺はひたすら女性の姿を探した。



すると真っ暗の中、俺たちから逃げるようにして離れていく一つの松明の光が目に入った。





「あれだ!」



俺はその近くへと着地すると、ひたすら前を追った。




「ハァ、ハァ…」



耳元ではミラの息切れが聞こえてくる。



きっと長時間力を使用することは、体にかなりの負担がかかってしまうのだ。




「……ミラ」



「大丈夫です…!
彼女を追ってください…!」



「…っ」



彼女の苦しそうな声に唇を噛み締めながらも、俺は前を向いて走り続けた。





ーーーすまない、ミラ。



あともう少しだけ頑張ってくれ…





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