相棒の世界
「なぜだ!!」
ニカは叫ぶと、シャツを掴む力を強めた。
「どうして戦えない!!!
お前は元殺し屋なんじゃないのか!?
ーーー私を指一本でも守れる…最強の殺し屋なんじゃないのか!?!?」
ニカの必死さが伝わってくる。
でもーーー
「すまん、俺は無理だ」
ーーー相棒を失ってしまっては戦えない。
俺はニカの手を自分のシャツから離した。
「その男どもから一人で逃げられるくらいの力があるのなら、一人で逃げた方がいい。
ーーー俺は足手まといに……」
ーーーん?
俺はふと考えた。
どうしてこんなにも小さな少女が一人で逃げて来られた。
しかも、3ヶ月の間ーーー
まさか……!!!
俺はニカの手を掴んだ。
「ーーー逃げろ!!!」
「え……」
ーーーとその時だった。
「パリン!!ドカァーーーーーン!!!」
「っ!!」
ふと、窓から入ってきた弾が大きな音を立てて爆発した。
衝撃が俺の中を走る。
ーーーやはり…
2人まとめて消すのが狙いか…!
「ちっ…くしょう……!!」
俺はニカの腕を掴んだまま立ち上がった。
「ーーーー逃げるぞ!!」
「はっ……!!」
「お前の目でここから抜けられるルートを探せ!ニカ!」
「……っ…分かった!」