相棒の世界
その日の夕方、
おじさんは帰ってくると同時に目を丸くしていた。
「何があったんだ、シーナ」
「っ…」
私は昼間にあったことを全て話した。
棒を担いだ金髪の少年が、いきなり窓を割ったのだとーーー。
「うん、なるほどな。
ありがとうシーナ、話してくれて」
おじさんは私の頭を大きな手で撫でると、顎を触りながら何かを考えていた。
私はずっとその様子を見つめていた。
「まあ、考えたところで仕方がないな。
夕食にしよう」
そう言って彼は肩に担いでいた荷物を下ろすと、さっそく夕食の支度を始めた。
「…私も手伝う」
「ありがとう、頼むぞ」
ーーートントントン
おじさんの隣で夕食を作っている間、私の頭の中には光り輝くシルクハットがあった。
『ぶっ殺すぞ』
濁った緑色の瞳で睨みつけてきた彼。
彼は一体、何者なんだろう…
その日は夕食にも眠りにつくことにも集中できなかった。
シルクハットが邪魔をしてきたのだ。