相棒の世界
「そこまでだ」
彼はそう言うと銃を懐にしまい、その場で既に倒れ込んでしまっている少年のところへと歩いていった。
おじさんを軽蔑するような目で見つめる大人たち。
「ヒー…ヒー…」
少年はまだ苦しそうな表情を浮かべていた。
「あーあーこんなになるまで走ってしまって」
その少年を抱きかかえると、おじさんは近くに落ちていたシルクハットを手に取った。
「何を…なさるんですか、イーグル様」
ふと、保安官のうちの一人が口を開いた。
イーグルというのはおじさんの名前だ。
「こいつを俺の子にする、それだけだが?」
「っ!!」
目を丸くする保安官。
私も唖然としてしまった。
「ま、そういうことだからよろしくな」
おじさんは一言そう言うと、少年を抱きかかえたまま家に向かってきた。
「あ……」
開いた口が閉じない私。
言わないといけないと思った。
こいつが窓を割った犯人なんだって。