相棒の世界






「パリーン!!」


「ドカァーーーーーン!!!」




打ち込まれる弾と爆発音が激しく聞こえてくる。




「ーーー兎!!」



「……っ!」



「2階まで上がれ!もう1階はダメだ!
敵に囲まれてしまっている!!」




ーーードカァーーーーーン!!!

ーーバキッ、バキッ




「2階の窓から隣の家の屋根に飛び移る!!
ーーそれしかない!!」



「…分かった!行くぞ!はやく!!」





結構やるじゃねーかこいつ…


鷹目の指示と似てやがる………





俺はニカの指示通り、2階へと続く階段へと足をかけようとした。




ーーーと、その途端。



「っ!」



俺の足に何かが当たった。



拾い上げてみるとそれはーーーシルクの生地。



「………」


「何を立ち止まっている兎!!
はやく上がってこないか!!」



ニカの言葉にやっと気が付き、俺はシルクハットを片手に階段を上がっていった。



背中から感じる熱で、1階がほぼ火の海と化していることが分かる。





ーーーポンッ


「……っ!?」



ニカの頭に俺はシルクハットをかぶせた。



「お前の父のもんだ。
父の形見くらいは自分で守れ」


「…っ!!」



ニカはゆっくりとシルクハットのツバを掴んだ。



「ーーー分かった」







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