相棒の世界
行くな、鷹目。
私は涙を流しながら、ずっと鷹目の腕を掴んで叫んでいた。
「ーーーごめん、俺は行くよ」
「っ!」
涙でいっぱいになった瞳を鷹目に向ける。
鷹目は口をギュッと結び、涙を堪えているかのように見えた。
「俺はーーーどうしても兎を救いたいんだ。いや、兎だけじゃない。『みんな』を救いたいんだ」
「っ?」
みんなを、救いたい?
「それにーーー」
鷹目は私を見ると、悲しげな笑みを浮かべた。
「イーグルに言われたことを、どうしても成し遂げたいんだ」
「っ!」
イーグル…
おじさん……
涙が止まらなかった。
鷹目がおじさんに何を言われたのかは分からなかったが、
それがとてつもなく重要なことであるということは分かった。
「グスッ…鷹目……」
「シーナ」
その夜は二人でずっと抱き合っていた。
お腹の子を真ん中にして、
三人で愛しあっていた。