相棒の世界
「これからどうするつもりなんですか、アルバートさん」
ふとガイドンが口を開き、俺はすぐさま答える。
「もちろん助けに行く、ニカをな」
助けに行く。
ーーー自分の娘を。
鷹目とシーナと、俺の愛娘を。
「とは言っても何か作戦はあるんでしょうか?」
「…っ」
そうだ、それが問題なんだ…。
「奴は3日後に記憶の泉へ来いと言っていた。しかも一人でとな」
「記憶の泉だと?」
シーナが口を挟んできた。
「どうしたシーナ」
「いや、わざわざ記憶の泉におびき寄せるなんて、奴は一体何を考えているんだろうなと思ってな」
俺は顎を触った。
確かにそうだ。
あいつは俺を『記憶の泉』に呼び出して、一体何をするつもりなのだろう。
俺は1人だと無力だ。
わざわざそこに呼び出さなくとも簡単に殺せるはずだ。
「記憶の泉とはどんな場所なんだ?」
俺が訊ねるとシーナは静かに言った。