相棒の世界
俺は椅子から立ち上がった。
心はもうーーー決まっている。
「いや、俺は行く。鷹目の記憶を蘇らせる」
「なっ!アルバートさん!!」
「分かってくれガイドン」
立ち上がろうとするガイドンの肩を抑える。
ガイドンの肩は震えていた。
「俺はニカを救いたい。そのためなら命だって惜しくはない。たったの半分じゃないか。盲目の俺は長く生きていたって何もいいことはないさ。
誰が何と言おうと俺は行く。ニカを絶対に救ってみせる」
ーーー鷹目。
今やっとお前の気持ちが分かったような気がしたよ。
本当に大切なもののためなら
命だって惜しくなくなるのだな。
なんだか不思議な気持ちだ。
ニカと出会う前まで、俺はこんな気持ちになったこともなかった。