相棒の世界
奥の部屋に入ると、すぐ目の前からミラの寝息が聞こえてきた。
ゆったりとしたリズムで繰り返されるそれは、俺の心を安心させる。
「…ミラ」
ベッドの脇に膝をつき、ミラの頬をそっと撫でる。
滑らかで冷たい彼女の肌は、俺の指をピクリと反応させた。
『私もあなたを愛しているということを忘れないで下さい…』
川辺でミラが言った言葉を思い出した。
少しだけ顔が熱くなって下を向く。
「愛してる、か……」
声に出したことでさらに恥ずかしくなり、またさらに下を向く。
ドキ、ドキ
ミラの寝息と俺の鼓動が繰り返される。
「ミラ…」
ーーー俺も、愛してる。
チュ…
そっと、
ミラの唇に自分の唇を重ねた。
熱が体を帯びてゆく。