相棒の世界
涙を流したのは久しぶりだった。
鷹目の死以来だろうか。
ミラは俺の頭をずっと摩っていた。
どうして泣いているのか聞いてくることもなく、励ますこともせず、ただずっと摩っていた。
その優しい手が心にも触れ、俺はポロポロと涙を流していた。
「ミラ、愛してる」
「私も愛しています、兎さん」
俺の寿命がもともと長いものだったらいいなと思った。
たとえ半分になったとしても、少しでもいいからミラのそばにいたい。
残された時間をミラと一緒に過ごしたい。
その手をーーー
離したくない。
俺が立ち上がると同時にミラもベッドから起き上がる。
「もう大丈夫なのか?」
「はい」
ふっと微笑みがこぼれると、俺はミラを抱きしめた。
ミラの細い腕が背中に回ってくる。
「信じています、兎さんのこと」
小さくミラが呟いた。
「ああ、信じていてくれ」
俺は目を開けた。
絶対に救ってみせる。
ニカをーーー。