相棒の世界




ーーーそしてとうとうその日は来た。




「きゃああああ!!!」



「っ!」




振り向いた先の光景に俺は目を見開いた。



今にも赤子を取られそうになっている母親。




ーーーニカとシーナが頭をよぎった。



「っ…!」



俺は駆け出していた。



イーグルの銃を構え、弾を放つ。



バンッ!



バキッ!




「た、鷹目だぁ!!」



尻尾を巻いて逃げていく奴隷売りたち。




「ーーー大丈夫かい?ママさん。もうそんな目に合わせるなよ?」




ーーー母は強くあるべしだっ!










シーナ、しばらくニカと離れるはめになるとは思うが待っていてくれ。



お前は誰よりも強いって知っている。



兎がニカを連れてくるのをーーー



待っていてくれ。









「…はっ!」



しまったと思った。



兎から目を離してしまった。



それと同時にーーー



鷹の目に映り込む、銃を構えた黒犬の姿。







「兎、危ない!!!」




バンッ!




「うっ…」




俺の胸を貫く銃弾。






俺はーーー





パタン…





その場に倒れた。





< 423 / 506 >

この作品をシェア

pagetop