相棒の世界
***
「ううぅ…グスッ…」
泉のすぐ脇、俺はシルクハットを握りしめながらうずくまっていた。
「…グスッ…鷹目…」
涙が止まらなかった。
俺の涙は頬を伝ってはシルクハットにポタポタと落ちていく。
「グスッ…ううぅ…グスッ…」
鷹目。
そういうことだったのか。
お前は俺にーーー
こんな俺にーーー
大切なものを残してくれたんだな…。
涙をシャツ袖で拭い、シルクハットを持ったまま立ち上がる。
ポタン、ポタン…
前方から聞こえてくる雫の滴りの音は、一回一回俺の心に響いてきた。
鷹目…。
シルクハットのつばをギュッと掴む。
お前の思い、受け取ったぞ。
ちゃんとーーー
受け取ったぞ。