相棒の世界
鷹目はしばらく眉を寄せながら考えていた。
こいつはこう見えて結構頭が切れるんだ。
「…怖ぇな」
「え?」
鷹目の言葉に片眉を上げた。
「だって…これでもし手に入らなかったら、俺たちは神様に見捨てられたってことになるんだろ?」
「っ…」
唇を噛みしめる。
鷹目の嫌いな言葉を俺は嫌というほど知っていた。
その一つが『捨てられた』って言葉だ。
「ーーーじゃあまた拾わせればいいじゃねーか」
「っ!」
顔を上げる鷹目。
「もし今回が運命じゃなくて、神様に見捨てられてるって分かっちまったら…」
ーーーまた拾ってもらえるように
頑張ればいいだけじゃねーか。
ポン、と鷹目の肩に手を置いた。
前歯が一本なくなった歯を見せて、ニシッと笑ってみせる。
「大丈夫だ鷹目!」
ーーー怖がる必要なんてない。
俺たちは『独り』じゃないんだから。