相棒の世界




「あ……」



鷹目は目を丸くしていた。



瞳がまるでエメラルドグリーンのビー玉みたいだ。



「どうする?鷹目」



俺が訊くと、鷹目はそのビー玉みたいな瞳を一瞬にして細ませた。



「ははっ!…ほんっと黒犬には敵わない」



目の前で拳を出してくる鷹目。



口元はニヤリと口角が上がっていた。



「行こう」




俺は視線を拳から鷹目の瞳に移した。



「……ああ!」



ーーーコンッ



俺たちは拳をぶつけ合った。



「「一か八かだ!!!」」








ーーーパリーン!!!



俺たちはその後、棒などの武器を用意するとワールドの店を襲撃した。



「うわああああ!!!」



鷹目がおとりになり、



「………」



姿を消した俺がそっと店に忍び込む。





ーーーしかし、襲撃の結果は最悪だった。




ドスッ!バシッ!!



「「うっ!」」



姿を消せることで有名だった俺は、鷹目が現れたと同時に存在がばれてしまったのだ。



殴られ、ぶたれ、そして蹴られる。




「でてけこのクソガキィィ!!!」



「っ!!」



散々店を襲った後、俺たちは傷だらけの体を引きずるようにして逃げていった。



結局は店を荒らすことしかできなかった。





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