相棒の世界




ーーーしかし、それから数週間が経った頃。



俺にとって胸を打たれるような大悲劇が起きてしまったのだ。




「黒犬なんて嫌いだ!!どっかに行ってしまえ!!!」



「っ…なんてこと言うんだよ!!」




それは、鷹目を激怒させてしまったことだ。



鷹目がめちゃくちゃ腹を空かせていたのにも関わらず、俺は小屋の中にあった食べ物を自分の分だけだと思い込んで全て平らげてしまったのだ。




「お前なんかどっかに行ってしまえばいいんだ!!もう俺に話しかけるな!!!」



「鷹目!!!」



鷹目は俺に背を向けると、頬を膨らませてずっとうずくまっていた。



「あ……」




やっちまった…






こんなに鷹目が怒るのを俺は初めて見た。



ちっぽけな喧嘩にしか見えないようなことだったけど、この頃の俺にとっては衝撃的な出来事だったんだ。





まずい…



このままだと鷹目と離れちまう…





腹をグゥグゥ鳴らしながらうずくまっている鷹目。



その小さな背中を見て、俺は悲しくなった。




ーーーどうしよう…



鷹目がいなくなったら…



鷹目に見捨てられたら…どうしよう。





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