相棒の世界
第2章 追憶
04. 旅の始まり
ーーーピヨピヨピヨ…
小鳥のさえずりと共に、俺は眠りから覚めた。
今はきっと早朝だ。
肌に感じる空気が少しだけ冷たい。
「…ハァ……」
夢の中で鷹目の声を聞いた。
久しぶりだった。
『世界を見ろ、兎ーーー』
どうしてその言葉を俺に訴えてくるのか、本当にわからない。
何が言いたい、鷹目ーーー。
「ジョンさーん!!」
「っ!?」
ふと聞き覚えのある声が目の前からして、俺は思わず体を起こした。
「ゴンッ!」
「うっ!」
「痛っ!」
と、途端に頭にぶつかる石のような固いもの。
「い、痛いですよジョンさーん!」
「ーーーガイドン!?」
それはーーーガイドンの頭だった。
どうしてガイドンがここにいるんだ!?
「そっすよジョンさーん!
靴屋が燃えちまったのを見て、昨日は一晩中ジョンさんのことを探したんですよ!!
いやー生きててよかった!!
本当によかった!!!」
ガイドンの声はいつも以上に大きく、そして臭いもいつも以上にキツい。