相棒の世界
ズキッ…
胸が苦しくなった。
俺の記憶に刻まれた嫌な思い出のせいで、家族なんてものは大嫌いだった。
俺には鷹目がいればいい、そう思っていたのに…
「鷹目…」
鷹目は銀髪の男と楽しそうに銃の特訓をしていたんだ。
ーーーだめだよ鷹目。
『悪』に近づいちゃだめだよ。
俺のーーー
そばにいてくれよ。
肩をガックリと落とし、その日はすぐに小屋へと戻っていった。
小屋の中、俺はひとりぼっちでーーー泣いた。
涙が止まらなかったんだ。
俺はこのまま鷹目に見捨てられてしまうじゃないか?
鷹目はあの銀髪の男とーーー
どこか遠くへ行ってしまうんじゃないか?
「うぅ…グスッ…」
行かないでよ、鷹目。
俺はお前のことすごく信じてるんだ。
絶対に戻ってきてくれるんだよな?
そうだよな、鷹目。
「グスッ…ハァ…グスッ…」
でももし…
お前が本当に銀髪の男と行くって決めてしまっているのならーーー
せめて…
せめて……
俺だけは連れてってくれよ。
ひとりぼっちにしないでくれよ。
鷹目…
「うぅ…グスッ…ううう…」
俺、
待っているからな。
お前が一緒に行こうって言ってくれるのを、
待ってるからな。