相棒の世界




そしてーーー兎を殺す日は来た。



カチャ



新しく仕入れた銃を右手に持つと、俺は姿を消しながら兎と鷹目の後をひっそりとついていった。




部下たちに奴隷売りのふりをさせ、心優しくなってしまった鷹目の目を引く。



その間に俺が後ろから兎を仕留める。



作戦はこういった単純なものだった。




「きゃあああああ!!!」



作戦は実行された。



赤子を殺そうとする奴隷たちに、まんまと引きつけられる鷹目。




ーーーよし、今だ。



そう思って俺は引き金を引こうとした。




しかしーーー



バンッ!!



「っ!?」



先に引き金を引いたのはーーー



鷹目だった。





「…?」



俺は眉をひそめた。



おかしいと思ったのだ。



どうして奴隷売りなんかを相手に引き金を引くんだ。



鷹目は仕事以外で引き金をめったに引かない。



なのにどうして…





俺は銃を構えたまま、鷹目の背中を見つめていた。



「っ!!」



すると突然、変な感覚が俺の中を走っていった。



鷹目の背中がーーー



























あの銀髪の男に見えたんだ。





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