相棒の世界
「何か言い残したいことはあるか、兎」
俺が死ぬと決まっているかのごとく、黒犬は訊いてきた。
「ああ、たくさんあるよ。
お前に訊きたいことがね」
「っ?」
少しだけ首を傾ける黒犬。
「言い残したいことが質問だったら迷惑か?」
俺が片眉を上げて言うと、黒犬は「はっはっは!」と大声で笑い出した。
「いいだろう!
ただしーーー3つまでだ」
黒犬は銃を下ろすと、片足に重心を置いた。
肩の力を抜きリラックスしている。
「フゥ…」
俺は一息つくと、剣を構えたまま言った。
「ーーーよし、じゃあ一つ目だ。
黒犬、お前は一体どんな顔をしている」
「はぁ?」
あははははは!!!!
急に黒犬は腹を抱えて笑いだした。
「お前…見えないくせにそんなことを聞いてどうするんだよ。ははっ…ああいいよ、見せてやる」
黒犬は仮面に手をかけるとーーー
バッ
仮面を勢いよく外した。