相棒の世界
「ーーーまあまあ!ジョンさん!!
そんな俺なんかのために喧嘩しなくていいですよ!!
友人の娘さんですね!?分かりやした!!」
ガイドンはスタスタとこっちに近づいてきた。
「娘さんにも自己紹介しなくちゃっすね!
ーーー娘さん、俺はガイドンと申しやす!
いつもジョンさんに靴を修理してもらってたんですよ!
ジョンさんは本当に心優しい方で、俺が何度店に訪れても、しっかり直してくれやした!」
「……こいつがか?」
「そうっす!!本当にお優しい方です!!」
「ふーん」
ニカは黙り込むと、俺の肩にポンと手を置いた。
「よかったな兎、一人だけそう言ってくれるやつがいて」
「黙れ、クソガキ」
「ふっ」とニカは笑うと、俺の肩から手を離した。
「ニカだ、よろしくガイドン」
「よろしくお願いしやす!ニカさん!!」
ニカなんかに敬語なんか使わなくていい。
そうガイドンに言ってやりたかったが、そうするとまたニカが怒り出すに違いない。
ここは黙っておくことにした。