相棒の世界
***
「うぅ…グスッ…ううぅ…!!」
ステッキの持ち手の部分を持つ手が震える。
「グスッ…たか…めぇ…グスッ…うぅ」
お前本当にバカだな…。
何一人で襲撃してんだよ…。
本当に…本当に……
「バカ…グスッ…野郎……グスッ…」
ーーーあいつは、
俺のことを見捨てたりしていなかったんだ。
逆に罪深さを感じて、ずっと待っていたんだ。
俺が鷹目を許すことを…!!!
「うぅ…うぅぅ……グスッ……」
考えてみればそうだ……
あいつは人を見捨てたりなんてしない……
だって、
一番嫌いな言葉がーーー
『捨てられた』なんだから。
「グスッ…ごめんなぁ…鷹目ぇぇ…!!!」
鷹目語も全部分かった俺だったのに、
それに気づいやれなくてごめんなぁ…!!
俺の方こそ許してくれ、鷹目…!!!
泉のそばで両膝をつき、俺は声をあげて泣いた。
俺の瞳からは泥沼の泥が全部流れ出るように、
黒い涙が溢れ出ていた。