相棒の世界
俺はニカのすぐ隣に着地すると、
「ニカ!!おいニカ!!!」
小さな肩を揺すった。
顔は青白く、頬もこけている。
ずっとここに置き去りにされていたに違いない。
「おいニカ!!目を覚ませ!!」
いくら揺すっても起きないニカ。
確かに呼吸はあるのにーーー
どうして起きないんだ?
まさか……
「ーーーおいクソガキ!起きろ!!」
「はっ!」
俺の罵声ですぐにニカは目を覚ました。
やっぱりな…
ニカはいつも、俺にクソガキと言われない限り絶対に起きなかったのだ。
「……兎?」
俺を見た途端、ニカは目を丸くした。
鷹目と同じエメラルドグリーン色の瞳がパチパチと瞬きをしている。
「……どうしたんだその目は…」
「ああ、これか。これはなーーー」
ふと、鷹目の悪戯っぽい笑顔が脳裏に浮かんだ。
「これはーーーお前の父が与えてくれたものだ」