相棒の世界
「っ!!」
ニカは驚いた顔をすると、すぐにそっぽを向いた。
「ぜ、全然似合ってないな…」
「っ…はぁ?」
ニカはタコのように口を窄めては、ふて腐れたような顔をしている。
「ハァ…」
俺はため息をついた。
わざわざ助けてに来てやったってのに、俺に見せる態度がこれか?
とんだお嬢様気取りだな。
このーーークソガキが。
「ーーー帰るぞ、ニカ。
帰らないなら置いていく」
俺はその場にスッと立ち上がると、ニカから離れようとした。
ーーーと、その時だった。
ギュッ!
「っ!?」
ニカが突然俺の片膝に抱きついてきた。
「っ…ニカ?」
「うぅ…グスッ…ううう…」
「っ!!」
ニカはーーー泣いていた。
「グスッ…兎ぃ…グスッ……」
ーーー来てくれると……
信じてたぞ…。