相棒の世界
「うぅ…グスッ…兎ぃ…!!!」
ギュウ……
ニカはその小さな細い腕で、さらに強く抱きしめてきた。
「っ…グスッ…うさぎぃぃぃ!!!」
「……ハァ…」
ーーーったく…
しょうがねーガキだ。
俺はその場にしゃがむとーーー
ギュッ…
ニカの体をギュッと抱きしめた。
俺の温もりで、優しさで、そして『愛』で
ニカを包み込む。
「悪いな、1人にさせて。ずっと怖かっただろ?もう大丈夫だ。俺はどこにもいかない。ずっとお前のそばにいる」
俺はニカの頭を優しく撫でながら言った。
「ーーー愛してるよ、ニカ」
「うっうぅ…ううぅ…グスッ…」
ーーーうあああああああ!!!
途端にニカは声を上げて泣き始めた。
ニカの涙でシャツが濡れてゆく。
「っ…たく、泣きすぎだぞ」
「うああああ!!!」
「ふっ、はは」
全然聞いてやがらない、こいつ。
ま、それでもいい。
ギュッ……
俺は大きな声で泣き続ける小さな体のニカを、ずっと抱きしめ続けた。
こいつの泣き声はーーー
本当に世界の圧力に負けていなかった。