相棒の世界
スタ、スタ…
ふとハカゼが穏やかな表情を浮かべながら、俺の元に歩いてきた。
本当に彼女はガタイのいい老婆だ。
だけどその顔はーーー
どこまでも優しさに包まれている。
ピタッ
ハカゼが俺の前で足を止めると、それに気づいたガイドンとミラは俺からそっと離れた。
「ふっ」
ハカゼはまたさらに一歩前に足を出すと、俺に手を差し出してきた。
ギュッ…
その手をしっかりと握り返す。
「鷹目のものはぜーんぶ泉に投げちまったのかい?」
ニヤリと口角を上げるハカゼ。
きっと全て分かっているのだろう。
「一つは違う場所に置いてきた。あまりにも世界が美しく見えたもんでね」
「はっはっはっ!」とハカゼは大口を開けて笑った。
「本当にいい眺めのところだねぇ」
ーーー鷹目もきっと喜ぶよ。