相棒の世界





ーーーと、その時だった。




「ーーー距離28メートル!敵は3人!
前に1人!前方右にもう1人!残り1人は箱の中!
外の2人は短刀、箱の中の1人は銃を所持!
半径3キロメートル以内に他の敵の姿はなし!」



「っ!!」




急にニカの勇ましい声が聞こえてきた。




ニカ……お前……





「それからもう一つだ、兎。
私はお前を信じている。
だから、もう少し自分のことを信じろ」




「っ!!」





言われたことがある言葉だったーーー








『ーーー自分の腕を信じてみなって!』








「ふっ」




口元に自然と笑みが浮かんだ。



まったくもってそっくりだな。



この『親子』はーーー






俺は腰につけた鞘入りの刀をそのまま外すと、自分の前に持ってきた。




見えもしないのに顔を上げ、敵の位置を確認する。





前方1人、前方右側にも1人、箱の中に1人ーーー





さて、



ーーーどうやって殺そうか。







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