相棒の世界
バキッ!!ガラガラガラーーー
「きゃああああああ!!!」
板を突き破り箱の中に突入したと同時に、奴隷たちの叫び声が俺の耳に入ってきた。
「どくんだ!」
奴隷たちを踏み潰さぬよう大声で叫ぶと、彼らはギリギリのところで落ちてくる俺を避けてくれた。
「兎!右に避けろ!」
「っ!!」
バキューーーン!!
聞こえてくる拳銃の音と同時に、俺は右に避けた。
「んっ!」
左頬をかすれる弾。
ニカに指示されていなければ、きっと頭を貫かれていた。
「ちっくしょ!!」
カチャカチャーーー
焦りながら弾を入れ替える奴隷売りの声が聞こえてきた。
ーーーそこだ!!
そこにいる!!!
「兎!」
「わかってる!
奴隷ども!左右に寄れ!」
俺は大声で叫んだ後、両手に持った剣を構えた。
そして、バネを使って敵の前まで一気に接近するとーーー
グサッ!
「うあっ!!」
奴隷売りを一突きにした。