相棒の世界
必要なものを装備し、俺たちは街中を歩き続けた。
さらに北にある町へと続く一本道を、ただまっすぐに進んで行く。
このまま町を抜けられればいい、そう思っていたがーーー
「……っ」
妙な違和感に、俺は冷や汗をかかずにはいられなかった。
「どうした、兎。顔色が悪いぞ」
ふと隣のニカが口を開いた。
「いや、たいしたことではない。
ーーーだが変な違和感を感じる…」
胸の奥がそわそわするような感覚。
まるで誰かに目をつけられているかのような感じだ。
ーーーなんなんだ、これは…
マントの中で、俺はずっと剣の柄を握りしめていた。