相棒の世界





ーーーしばらく歩き続けると大きな広場に出た。



おそらくこの町の政などを行う場所だろう。





ーーー妙な違和感はまだ続いていた。




「ニカ」



「なんだ」



「周りの状況を説明しろ」



「……分かった」




ニカが言うには、この広場は古びた大きな建物に囲まれているらしく、それぞれ前後左右に一本ずつの道が敷かれているらしい。



いわばここは町の中央広場のようなものだ。





「大きな建物…か…」




敵が身を隠すのに最適の条件だ。



その上そこから銃で俺たちを狙い撃ちすることも可能。




ーーーここはどう考えても危険だ。







「ニカ、はやくここを出るぞ」



「…っ」



「嫌な気がしてならない」



「分かった…」





俺はガイドンに歩く速さを速めるように言うと、そのまま北側の道へと歩き始めた。





人々の声に混ざって聞こえてくるのはーーー




ドックンーーー


ドックンーーー






尋常じゃないほどに大きくなった自分の鼓動ーーー。






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