相棒の世界
ーーーと、その時だった。
「きゃあああああ!!!」
ビクッ!
ふと近くから叫び声が聞こえてきた。
ーーーなんだ!?
「兎!」
ニカは急に叫ぶと、途端に俺のシャツ袖を引いて走り始めた。
「っ…なんだニカ!」
俺がいくら声をかけてもニカの応答はない。
ーーーったく…なんのつもりだ!!
「おいクソガキ!!
黙ってないで説明しろ!!」
「……っ」
「ジョ、ジョンさん!!」
黙っているニカの代わりに、ガイドンが慌てふためいた声で言った。
「あ、悪魔です!!
ーーー『北の悪魔』ですよ!!」
「っ!?!?」
ーーー北の…悪魔だと…?
「はやく逃げやしょうジョンさん!!」
ニカとガイドンに腕を引かれながら、俺は広場から離れていった。
ーーー北の悪魔…
引かれながらも、俺は頭が真っ白になっていた。
どうして…
どうして奴がここにいるんだ…
10年前にーーー
捕らえられたはずだろ…!!