相棒の世界
トンッ、タッタッタッタッターーー
「っ!!」
ふと何かが屋根の上に跳び乗り、俺たちに近づいてきた。
ーーー紛れもなく奴だ。
「兎…どういうことだ…!
なぜ奴は跳んでいる!!!」
後ろを確認しているニカが口を開いた。
「ちっ……」
ーーーもう、やるしかない…!
俺は足を止めると、すぐさま後ろを向いた。
剣を両腰の鞘から出し抜く。
「下がってろ!!」
ガイドンとニカを後ろに、俺は剣を構えた。
「兎ー!!!」
ニカの声が聞こえた次の瞬間ーーー
「カキンッ!!」
刃がぶつかり合う音が辺り一面に響いた。
「ーーーははっ…
いいねぇーアルバート…
やっぱり殺すのはお前じゃなくちゃな…」
「……っ!」
目の前から聞こえてきた声に、俺はもう片方の剣を振った。
それは見事に避けられ、目の前にいた奴は後ろへ跳ぶ。
「ぎゃはははははは!!!
相変わらず見えてないんだな!!!」
「……っ」
少し離れた場所から聞こえてくる声に、俺は歯を噛み締めた。