相棒の世界





トンッ、タッタッタッタッターーー



「っ!!」




ふと何かが屋根の上に跳び乗り、俺たちに近づいてきた。




ーーー紛れもなく奴だ。








「兎…どういうことだ…!
なぜ奴は跳んでいる!!!」



後ろを確認しているニカが口を開いた。




「ちっ……」






ーーーもう、やるしかない…!







俺は足を止めると、すぐさま後ろを向いた。




剣を両腰の鞘から出し抜く。




「下がってろ!!」




ガイドンとニカを後ろに、俺は剣を構えた。




「兎ー!!!」





ニカの声が聞こえた次の瞬間ーーー




「カキンッ!!」




刃がぶつかり合う音が辺り一面に響いた。







「ーーーははっ…
いいねぇーアルバート…
やっぱり殺すのはお前じゃなくちゃな…」



「……っ!」




目の前から聞こえてきた声に、俺はもう片方の剣を振った。




それは見事に避けられ、目の前にいた奴は後ろへ跳ぶ。





「ぎゃはははははは!!!
相変わらず見えてないんだな!!!」



「……っ」




少し離れた場所から聞こえてくる声に、俺は歯を噛み締めた。







< 98 / 506 >

この作品をシェア

pagetop