限定片想い

「それなー!でも、サラはみっくんがいるからいいじゃん!!」


この学校は、
学科ごとにクラスがきまってて
1年の時の学科が面白くなかったら
2年になる時に変えられる。
でも3年は持ち上がりっていう変な学校。


だから3年のこの時期は
何の期待も持たないってわけ。


でもまぁ、私の右を歩いているサラは
みっくんて言う素晴らしい彼氏がいて、
みっくんいるからどうでもいいけど!
って語尾にハートを付けてほざいてる。


サラとは1年の時に同じクラスで
ずっと一緒にいた。
でも私は飽きっぽくて学科を変えたから
バラバラになっちゃったけど
部活の行き帰りは相変わらず一緒。


いつも私の右にいるサラは
生まれつき右耳が聞こえない。
だから私はいつもサラの左側にいる。


彼女はいつも帰りのバスで音楽を聴く。
耳にはめてない右のイヤホンを
いつも悲しそうに見つめる。


だから私はいつも
彼女の手の中にある右用のイヤホンを
奪って自分の右耳に付ける。



私の大事な大事な親友。


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