【詩的小説短編集】=想い=
疲労

君がまさかあんな事を言うなんて、僕はまったく想像もしていなかった。


僕らは気持ちの深い場所できっちりとがっしりと繋がっている。そう思ってたから……


僕が君を見ていないフリをするのがどんなに大変だったと思う?


君が大好きだって隠すのがどんなに大変だったと思う?

毎日こんなに君でいっぱいなのに、君は僕に嫌われてるんだと思っていたんだね。

僕の抱えているものが重くて、苦しくて、その中でもちゃんと君を護らなきゃって頑張って来た僕の想いを一瞬で君は壊したんだ。

もう僕は頑張れないよ。


君の望むものは何もあげられないから……


君は何もしてくれなくても僕の希望だったのに、君はそうじゃなかったんだね。


壊れていく何かが見えるよ。


目に見えるものだけが真実かい?


そんなに不安定な気持ちじゃ、今の僕には君は輝いて見えないよ。


笑顔が大好きだ。

何かに真剣になってる横顔が大好きだ。

困ってる顔がまた可愛い。

自分の好きな事を夢中で話す眼差しが愛おしい。


君の傍にくる男に嫉妬している僕がいる。


そんな気持ちを押し殺しているのを君は知らないだろう。


君を支えてきたつもりだ……


そしてそのために僕が辛い思いをしていることさえ……


口に出したら男じゃないから、僕は黙って見ているしか出来ない。


でも君の抱えているいるものも知ってるよ。


沢山知ってるはずなのに、いつの間にか僕の許容範囲を超えてた。


だから………


もうさよならだね。



君は僕から離れていくんだよ。


僕達は何にもなれない2人だったんだ……



大好きだったよ。



離れても君の幸せは祈ってる。



僕はもう………疲れたよ………




=fin=
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